翻訳者たちが旅先で気になって仕方ないもの
翻訳者の仕事を始めてから
旅先で気になるものが増えました(笑)
看板や案内表示の英語訳を
つい読んでしまうんです。
だいたい、機械翻訳を
した痕跡があるのですが
あ、これは原文の日本語が問題だったんだな~
この訳、すごい!真似したい!
——気づいたら立ち止まって
じっくり眺めている。
完全に職業病です。
翻訳機が悪いんじゃない、入れる日本語が問題
観光地でおかしな英語訳を見かけたとき
「翻訳機がダメだから」
と思う方も多いかもしれません。
でも翻訳者の目から見ると
実は原因の多くは
「翻訳機に入れる日本語」にあります。
日本語は主語や目的語が
省略されることが多い言語です。
日本人同士なら文脈で伝わることも
機械はそのまま訳してしまう。
その結果、外国人が読んでも意味がわからない
——あるいは思わず笑ってしまうような訳文が生まれます。
旅先で見つけた「あるある」な訳たち
▶主語・目的語が省略されて変になる系
日本語では自然でも
そのまま訳すと「何が?」「何を?」
となる場合が結構多いですね。
ご利用ください
× Please use.
○ Please use this counter.
濡れています
× Here is wet.
○ Wet floor.
▶敬語・丁寧語がそのまま直訳される系
日本語の丁寧な表現が
英語にするとなんだか不自然に
なってしまうパターンです。
お手を触れないでください
× Please don't touch your hands.
○ Please do not touch.
お客様はお入りになれません
× Customers cannot enter.
○ Staff only.
▶日本語の曖昧さがそのまま出る系
日本語では一言で伝わることも
英語では具体的に言わないと伝わりません。
準備中
× To be prepared
○ Opening soon.
本日休業
× Today holiday.
○ Closed today.
▶観光地あるある系
これは思わず笑ってしまった
いや、鳥肌が立ったもの(^^;
撮影禁止
× No shooting.
○ No photography.
だから、翻訳者の仕事は(今のところ)なくならない
AIや翻訳機があれば
翻訳者はいらないんじゃ?
と、私たちの前で
堂々と言う人はいます(笑)
でも今日ご紹介したような例を見ると
機械翻訳だけでは限界があることがわかります。
意味は分かる、でも読むのは「人間」だから。
言葉には文化があります。
文脈があります。
読んだ人がどう感じるか、
という視点があります。
翻訳者の仕事は
その言葉の背景まで含めて届けること。
機械はまだ、そこまでは担えていません。
旅先でおかしな看板を見つけるたびに
翻訳者として、できることがまだまだある
と思います。
職業病も、悪くないものです。


