翻訳アプリで本当にいいの?
「翻訳アプリがあれば十分でしょ」
そう言われることが、よくあります。
確かにAI翻訳の精度は上がっています。
でも翻訳者として
日々仕事をしている立場から見ると
翻訳アプリを使う人が気づいていない
ある決定的な問題があります。
その訳、本当に合ってますか?
翻訳アプリが出した訳文を見て
「これで大丈夫」と思う。
でもちょっと待ってください。
その訳が正しいかどうか
どうやって判断していますか?
翻訳アプリの訳が正しいかどうかを判断するには
結局その言語がわからないといけません。
でももしその言語がわかるなら
そもそも翻訳アプリは必要ないわけで……
これ、矛盾していませんか?
特にビジネスや観光の現場では
訳文の質が信頼に直結します。
「なんとなく意味が伝わる」では
済まされない場面も
実はたくさんあります。
とある観光地でも
トラブルを目撃し、解決しました(^^;
でも翻訳アプリを使う人の多くは
この矛盾に気づいていません。
AIは「機械ことば」を作る
AI翻訳の訳文を読んでいると
よく感じることがあります。
意味はわかる、でもなんだかぎこちない。
AIは膨大なデータをもとに
統計的に正しそうな訳文を作ります。
でもその訳文を読むのは人間です。
人が読んで自然かどうか
文脈に合っているかどうか
——そういう微妙な判断は、まだAIには難しい。
結果として
AIの訳文は機械ことばになりがちです。
文法的には間違っていないけれど
なんとなく読みにくい。
それが今のAI翻訳の限界だと思っています。
翻訳者も、AIを使っている
ここで誤解されたくないのは
翻訳者がAIを敵視しているわけではない
ということです(笑)
実は私たち翻訳者も
AIが世間で騒がれるずっと前から
翻訳支援ツールを使っています。
たとえば訳抜けのチェック。
同じ案件の中の同じ表現は
同じように訳せているか。
(※表記のゆれ:申し込み、申込、お申込み、などが混在しないようにチェックしてくれます)
人間の目だと、うっかり
見落としてしまうこともあります。
数字の間違いも
人の目より機械の方が
正確に見つけてくれます。
つまり翻訳者は、AIを敵ではなく
道具として使っているんです。
AIが得意なことはAIに任せて
人間にしかできない部分に集中する。
それが今の翻訳者の働き方です✨
最終的には、人間の目が必要
どれだけAIが進化しても
最終的な判断をするのは人間です。
観光パンフレットを例に考えてみましょう。
AIは駅から2kmを2 km と訳すかもしれない。
文法的には正しい。
でも英語圏向けのパンフレットなら、
1.2 miles と書いた方が読み手に優しい。
この判断ができるのは、人間だけです。
また、AIは文脈を完全には理解できません。
同じ単語でも
場面によって訳し方を変える必要があります。
読み手の文化に合わせて
言葉を選ぶ必要があります。
そういう繊細な調整は、やはり人間にしかできません。
AI × Human Translators=最強チーム
AIは便利です。
翻訳者もそれを認めているし
実際に活用しています。
でも最終的に
読み手に届くのは人が読む文章です。
だから私は
人による翻訳にこだわり続けます。
機械ことばではなく、人に届く言葉を。
それが翻訳者の存在意義だと、信じています。

